BenQより販売されている4K HDR 短焦点ゲーミングプロジェクター『TK700STi』のレビューです。
TK700STi レビュー
BenQが販売する日本初の4K UHDゲーミングプロジェクター「TK700STi」の見た目や使用感、機能をご紹介します。
スペック
解像度 | 最大 4K UHD(3840 x 2160) |
---|---|
輝度 | 3,000 ルーメン |
コントラスト比 | 10,000:1 |
色再現性 | 10億7000万色 Rec.709カバー率 96% |
リフレッシュレート | 4K:60Hz 1080p:240Hz |
応答速度 | 4K:16.67ms@60Hz 1080p:16.67ms@60Hz 1080p:8.33ms@120Hz 1080p:4.16ms@240Hz |
その他 | HDR10/HLG対応、3D対応 |
寸法 | 312 x 110 x 246(mm) |
重量 | 3.1 kg |
公式製品ページ | こちら |
外観
まずは外観からチェックしていきます。サイズは312 x 110 x 246(mm)、重量は3.1kgと、プロジェクターとしては標準的なサイズです。TK700STiは「ゲーミングプロジェクター」と銘打っていますが、ゲーミングといってもLEDのようなものはなく、見た目はいたって普通のプロジェクター となっています。
天面下部には電源ボタンを含む操作パネルがありますが、基本的には付属のリモコンを利用して操作することになるでしょう。
天面上部にはピントを調節するフォーカスダイヤルと、ホームプロジェクターとしては珍しい 1.2倍のズーム機能 があります。投影のための距離を確保できない環境でも、大画面で投影することができます。
付属のリモコンではTK700STiの操作のほか、後述するAndroid TVの操作をすることも可能です。
背面の端子は映像入力用としてHDMIが2つ(内1つはeARC対応)。RS232やオーディオ出力(3.5mm)のほか、USB-Aポートを備えており、Amazon Fire TV Stickやスティック型PCなどの電力供給に利用できます。
Android TV 9.0
付属しているドングルを接続することで、Android TVを利用することができます。YouTubeやAmazon Prime Videoのほか、Android TVに対応したアプリをGoogle Playからダウンロードして使用したり、Chromecast機能を利用してPCやスマホの画面をミラーリングすることも可能です。
Android TVは付属のリモコンを利用して操作できます。音声認識ボタンもあるので、文字入力する際は音声認識がオススメです。
ゲーム性能
さて、ここまではTK700STiのプロジェクターとしての機能に絞って紹介しました。これだけでも非常に魅力的なのですが、TK700STiの最大の魅力はそのゲーム性能にあります。
画面性能
ゲーミングモニターを選ぶ際に気にするところは解像度や応答速度・リフレッシュレートなどですが、TK700STiはプロジェクターながらコアなゲーマーも満足できるような仕様となっています。
まず解像度は、ゲーミングプロジェクターとしては初の4K UHD(3840×2160)まで対応。4K時のリフレッシュレートは60Hzとなっています。
さらに驚くべきは、解像度が1080p(1920×1080)時では、ゲーミングモニターでもハイエンドモデルしか対応していない240Hzのリフレッシュレートに対応していることです。1080p240Hzでは高速モード時の応答速度が4.16msと、液晶ディスプレイに匹敵する遅延の少なさとなっています。
また前述したようにHDMIポートが2つあるので、片方ではPS5など家庭用ゲーム機を接続して4K60Hzでプレイ、もう片方はゲーミングPCを接続して1080p240Hzでプレイするなど、使い分けを行うことも可能です。HDMIの接続切り替えは、付属のリモコンで簡単に操作できます。
色再現度
Rec.709カバー率96%の広色域に対応しており、HDR10/HLGにも対応しています。輝度は3,000ルーメンとかなりの明るさで、明るい部屋でもはっきりと視認することができます。
ゲームモードとスピーカー
TK700STiではFPS・SPG(スポーツゲーム)・RPGの3つのゲームモードを備えており、遊ぶゲームによって適切な画質設定を適用することができます。
例えばFPSモードでは、映像のディテールが細部にわたって見やすくなり、暗い場所に隠れている敵などを簡単に見つけやすくなっています。
TK700STiにはCinemaMaster Audio+2技術のステレオスピーカーが搭載されていますが、ゲームモードはこちらの音質にも影響します。同じくFPSモードを例に出すと、足音や銃声などの音が強調されるようになるため、上記の映像と相まってゲームパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
実ゲームプレイ
ここからは実際のゲームプレイに焦点を当てていきます。
Apex Legends
人気バトルロイヤルゲームである「Apex Legends」のPC版を、1080p240Hzで動作している状態でプレイしました。
筆者は普段から同じくBenQより販売されている「ZOWIE XL2546K」という240Hzモニターを利用していますが、高いリフレッシュレートによるヌルヌル感はそのままに、純粋に画面が大きくなったことで敵が大きく見え、非常に狙いが定めやすく感じました。
Cyberpunk2077
近未来な世界観を練り歩くオープンワールドなアクションRPGである「Cyberpunk2077」、こちらは4K60Hzで、HDRをオンにした状態でプレイしました。
TK700STiは先日当サイトでもレビューした「[MOBIUZ EX2710R](https://e-sports.nepoca.com/2021/11/05/benq_mobiuz_ex2710r_review/)」と同様、HDR映像の出力に対応しています。普通のモニターではなかなか表現できない、プロジェクターならではの高コントラスト比によって表現される世界は別格で、ナイトシティの美麗な夜景を存分に楽しむことができました。
DEATH STRANDING
荒廃した世界各地へ荷物の配達を行うオープンワールドアクション「DEATH STRANDING」でも、Cyberpunk2077と同様に4K60Hzの状態でプレイしました。
Cyberpunk2077と比べると比較的どんよりとした風景の多いDEATH STRANDINGですが、このゲームの特徴である草や水などのフォトリアルな表現と、TK700STiの大画面の4Kの描写が非常にマッチしており、とても落ち着いた雰囲気を堪能することができます。
まとめ
TK700STiは下記のような方に非常にオススメできるプロジェクターといえます。
- DEATH STRANDINGやCyberpunk2077など、
HDR対応で美麗な風景を楽しめるシングルプレイゲームを大画面で楽しみたい方 - 手軽にYouTubeやAmazon Prime Videoを大画面で楽しみたい方
esportsをガチでプレイするというよりは、一人でまったりとゲームを楽しんだり、YouTubeや映画を見たり、まさしく ゲームもできるプロジェクターの最高峰 であるTK700STi、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。